"Same Love" - Macklemore & Ryan Lewis (feat. Mary Lambert) 歌詞の和訳

マックルモアとライアン・ルイスが、メアリー・ランバートを迎えて制作したメッセージソング『Same Love』を紹介します。同性婚やLGBTQの権利を支持するこの曲は、発表当時から大きな反響を呼びました。

 

歌詞には「どんな性的指向や性自認も、人間にとって本質的で自然なもの」というメッセージが込められています。愛は誰かから与えられる権利ではなく、私たちの存在に最初から備わっているものです。セラピストとしての役割は、クライアントがその愛を安心して表現できるよう、安全な関係を提供することにあります。

 

この和訳は歌詞の意味をできるだけ忠実に伝えることを目的としていますが、日本の臨床教育の文脈に合わせ、LGBTQアファーマティブ・セラピーの立場から一部表現を調整しています。解釈は皆さん自身の体験や学びに委ねてください。

Same Love(セイム・ラブ)― マックルモア&ライアン・ルイス(メアリー・ランバートを迎えて)

第1節:マックルモア(歌)

When I was in the third grade, I thought that I was gay

'Cause I could draw, my uncle was, and I kept my room straight

小学3年のとき、自分はゲイだと思った

絵が得意だったし、おじさんもゲイで、部屋をきちんと片づけていたから

 

I told my mom, tears rushing down my face

She's like, "Ben, you've loved girls since before Pre-K"

泣きながら母に打ち明けると

「ベン、あなたはずっと女の子が好きだったじゃない」って言われた

 

Trippin', yeah, I guess she had a point, didn't she?

ちょっと混乱したけど、母の言葉は確かにその通りだと思った

 

A bunch of stereotypes all in my head

I remember doing the math like, "Yeah, I'm good at little league"

頭の中はステレオタイプでいっぱいで、

『そうだよ、俺は野球が得意だし』って、自分を納得させていた

 

A pre-conceived idea of what it all meant

For those that like the same sex had the characteristics

同性愛とはこういうものだ”という先入観があった

同性を好きな人には、決まった特徴があると信じ込んでいた

 

The right-wing conservatives think it's a decision

And you can be cured with some treatment and religion

保守派は性的指向や性自認を"選択"だと考え、

治療や宗教で“治せる”と信じ込んでいる

 

Man-made, rewiring of a pre-disposition

Playing God, aw nah, here we go

生まれ持った傾向を人為的に変えようとして

神の真似事――またか、って感じだ

 

America the brave still fears what we don't know

And "God loves all his children" is somehow forgotten

“勇敢な国”アメリカは、いまだに理解できないものを恐れ

 『神はすべての子を愛する』という教えは、都合よく忘れられている

 

But we paraphrase a book written thirty-five hundred years ago

I don't know

でも、人は3500年前に書かれた聖書を、自分達に都合よく言い換えている

俺にはよくわからないけれど

コーラス:メアリー・ランバート(歌)

And I can't change

Even if I tried

Even if I wanted to

そう、変えられない

どんなに頑張っても

どんなに望んでも

 

And I can't change

Even if I tried

Even if I wanted to

変えられない

どんなに頑張っても

どんなに望んでも

 

My love, my love, my love

これが私の愛  

これが私の愛  

これが私の愛

 

She keeps me warm

She keeps me warm

She keeps me warm

She keeps me warm

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

第2節:マックルモア(歌)

If I was gay, I would think hip-hop hates me

Have you read the YouTube comments lately?

もし自分がゲイだったら、きっとヒップホップに嫌われてるって思うだろう

最近のYouTubeのコメントを読んだことある?

 

"Man, that's gay" gets dropped on the daily

We've become so numb to what we're sayin'
「おい、ゲイかよ」なんて言葉が毎日のように書き込まれる

僕らは自分たちが使う言葉に鈍感になり過ぎている

 

Our culture founded from oppression

Yet we don't have acceptance for 'em

僕らの文化は抑圧の上に築かれてきたのに

僕らはまだLGBTQの人たちを受け入れられずにいる

 

Call each other faggots behind the keys of a message board

A word rooted in hate, yet our genre still ignores it

匿名のネット掲示板で互いを「ホモ野郎」と罵り合う

憎悪の言葉なのに、僕らのヒップホップはいまだに知らんぷり

And "gay" is synonymous with the lesser

It's the same hate that's caused wars from religion

“ゲイ”という言葉も、いまや“劣ったもの”の同義語だ

それは宗教戦争をもたらしてきたのと同じ憎悪だ

 

Gender to skin color, the complexion of your pigment

The same fight that led people to walk-outs and sit-ins

(性的指向や性自認をめぐる闘いは)

ジェンダーや、ただの色素の濃淡による肌の色をめぐる闘いと同じで

人々をストライキや座り込みへと駆り立てた差別への闘いなんだ

 

It's human rights for everybody, there is no difference

Live on and be yourself

性的指向や性自認は、誰にでも等しく備わる人権で、そこに違いなんてない
生きていこう ありのままで

 

When I was at church they taught me something else

If you preach hate at the service, those words aren't anointed

That holy water that you soak in has been poisoned

教会にいたとき、そこで教わったのはまったく別のことだった
もし礼拝で、宗教の名のもとにLGBTQへの差別や憎しみを説くなら、その言葉に聖なる力は宿らない
あなたが浸っている聖水(=あなたが身をゆだねている宗教的権威や信仰)は、すでに毒されている

 

When everyone else is more comfortable remaining voiceless

Rather than fighting for humans that have had their rights stolen

権利を奪われた人たちのために闘うよりも、

声を上げずに沈黙している方がいいとみんなが感じている時に

 

I might not be the same, but that's not important

No freedom 'til we're equal, damn right I support it

私はLGBTQ当事者ではないかもしれない、でもそんなことは関係ない

平等なくして真の自由はない――だから、私は全力で支持する

間奏:トロンボーン

コーラス:メアリー・ランバート(歌)

And I can't change

Even if I tried

Even if I wanted to

そう、変えられない

どんなに頑張っても

どんなに望んでも

 

And I can't change

Even if I tried

Even if I wanted to

変えられない

どんなに頑張っても

どんなに望んでも

 

My love, my love, my love

これが私の愛  

これが私の愛  

これが私の愛

 

She keeps me warm

She keeps me warm

She keeps me warm

She keeps me warm

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

第3節:マックルモア(歌)

We press play, don't press pause, progress, march on

With a veil over our eyes, we turn our back on the cause

'Til the day that my uncles can be united by law

一緒に進もう、立ち止まらずに、変わっていこう、歩みを止めずに

見て見ぬふりをして、ぼくらはLGBTQの人々が抱えてきた痛みや孤独から目をそらしてきた
僕のおじたちが、法に守られ結ばれるその日まで

 

When kids are walking 'round the hallway

Plagued by a pain in their heart

A world so hateful, some would rather die than be who they are

廊下を歩く子どもたち  

心の奥に痛みを抱えて  

LGBTQの人びとへの憎悪に満ちたこの世界では、自分らしく生きるより死を選ぶ子もいる

 

And a certificate on paper isn't gonna solve it all

But it's a damn good place to start

No law's gonna change us, we have to change us

たった一枚の結婚証明書がすべてを解決するわけじゃない

けれど、そこから始めるのはとてもいい一歩だ
法律が私たちを変えるんじゃない、私たちが私たちを変えるんだ

 

Whatever god you believe in, we come from the same one

Strip away the fear, underneath it's all the same love

About time that we raised up, sing
信じるものが違っても、僕らはみな愛から生まれた
恐れを手放せば、その奥にあるのは、結局ひとつの愛
今こそ立ち上がり、愛で繋がろう 

コーラス:メアリー・ランバート(歌)

And I can't change

Even if I tried

Even if I wanted to

そう、変えられない

どんなに頑張っても

どんなに望んでも

 

And I can't change

Even if I tried

Even if I wanted to

変えられない

どんなに頑張っても

どんなに望んでも

 

My love, my love, my love

これが私の愛  

これが私の愛  

これが私の愛

 

She keeps me warm

She keeps me warm

She keeps me warm

She keeps me warm

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

 

彼女が私をあたためてくれる

終唱:メアリー・ランバート(歌)

※聖書の言葉に、メアリー・ランバート自身の声が重なります。日曜礼拝の度に流した涙は、やがて「もう泣かない」という静かな宣言へと変わります。普遍の愛と個人の解放が、ここでひとつに溶け合い続けています。


Love is patient

Love is kind
愛は寛容であり
愛は情け深い

 

Love is patient
Love is kind (Not crying on Sundays)
愛は寛容であり
愛は情け深い――もう日曜日には泣かない

Love is patient (Not crying on Sundays)

Love is kind (I'm not crying on Sundays)

愛は寛容であり――もう日曜日には泣かない  

愛は情け深い――私は日曜日には泣かない

Love is patient (Not crying on Sundays)

Love is kind (I'm not crying on Sundays)

愛は寛容であり――もう日曜日には泣かない  

愛は情け深い――私は日曜日には泣かない

 

Love is patient (Not crying on Sundays)

Love is kind (I'm not crying on Sundays)

愛は寛容であり――もう日曜日には泣かない  

愛は情け深い――私は日曜日には泣かない

 

Love is patient

Love is kind
愛は寛容であり
愛は情け深い


※「愛は寛容であり、愛は情け深い」:聖書(コリント人への第一の手紙13章)からの引用

“信じるものが違っても、僕らはみな愛から生まれた  

恐れを手放せば、その奥にあるのは、結局ひとつの愛  


今こそ立ち上がり、愛で繋がろう”

 

――この言葉を、あなた自身の臨床にどう響かせますか