参加者の感想(5/6開催分)

第1回 LGBT論文発表会2020 on Zoom(東京レインボープライド2020 参加イベント)

東京レインボープライド2020参加イベントとして、「第1回 LGBT論文発表会2020 on Zoom」を開催しました。

 

2020年5月6日は、総勢34名の方にご参加いただきました。参加された方々から5月6日22時時点で頂いている感想の内、掲載許可をいただいたものを以下に記載します。参加していない方にも回答者の意図が伝わるように一部( )で補足をした以外は、すべて原文のままです。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。(感想を頂きましたら随時追加させていただきます。)

イベントの詳細はこちらのページをご覧ください。

 

1. 全体的な分かりやすさについての評価

  • 聞き取りやすかった点。噛むことが少なかった点。用語説明があり、用語を知らない人を置いてけぼりにしない点。
  • 本来感という概念がまだ釈然としません。自身にフィットした感じで大切なことだとは思いますが、キーとして使うには漠然とし過ぎている気がします。
  • 図を用いた説明を聞いてそう思った(分かりやすいと思った)。
  • はじめに用語の説明などをしてくださったので、理解しやすかったです。
  • 統計やグラフの提示があったのでわかりやすかったです。
  • 用語の説明が丁寧にあった
  • 用語の説明を最初にしていただいたこと、途中途中で調査で大事にしていたことに触れてくださっていたと思うため
  • 私は大学生なのですが、用語の解説や、分析の方法などがわかりやすく、知識がまだ浅い私でも内容をよく理解できました。大変勉強になりました。
  • (評価を1~5の5段階中4に)5から落としたのは、手元にスライド等を留め置けないので、1枚ものの紙レジメ的なファイルが送られてくるとありがたいです。(心理学などにあまり慣れていないので)
  • 話のスピード、全体の構成、質問に対する丁寧な回答
  • 心理学や研究の用語を、一般の方にもわかりやすいように説明していた。
  • 聞き取りやすい声。図示。最初に用語の説明があったこと。
  • 次のスライド移るペースが速く感じました。私個人の理解力の遅さもあると思います。
  • 細かな説明があり自身の知識が足りないところも理解できた
  • 心理学研究に馴染みがない方も意識した発表(用語説明)だったため。
  • 聞きやすい話し方や音量だったので、移動中でもわかりやすく聞こえたと感じました。

ご感想、ありがとうございます。図やグラフ、単語の事前説明などを使ったことで分かりやすいと思っていただけたようで嬉しいです。今回の日程の最終日ということで、前回と前々回の参加者の方々からいただいたお声を活かして取り組みました。また、できるだけスムーズに伝わるように発表原稿やスライドを修正したことも分かりやすくなった理由ではないかと思います。

 

ただ、手元に何も資料がないという点で不自由な感じがしたとのご意見もいただきました。来年度は、何らかの1枚ものの資料(主要なグラフや図、主なキーワードなど、できるだけ視覚的にシンプルなものを考えています)を事前配布できたらと思います。また、人によっては早いと感じた方もいらっしゃいました。ご意見ありがとうございました。来年は改善できるよう検討します。

2. 日常生活で役立ちそうな感じについての評価

  • それはもちろんLGBTの生きづらさがどこから来るのかの一つの答えになると思うからです。
  • 同性愛者が異性愛者に比べてストレスが多いことがわかったので、カミングアウトされた際にはふざけずに受け止めるよう心掛けようと思った。
  • LGBの人の認知のあり方を分析し、それを媒介としてストレスを考えることは、LGB本人の自己理解、そこから本来感を得ることへとつながるのかなと思いました。マイノリティストレスが図解されていて見やすかったです。そしてLGBではない人にも、単にストレス反応は周りに偏見があるかないかということだけではなく本人の認知のあり方が関わっていることがわかりやすかったと思います。個人の認知と向き合うというアプローチが、自分や他者と知り合おうとするときの参考になると思いました。
  • マイノリティストレスという概念を今回初めて知りましたが、LGB以外でも該当すると思い、そのことを頭に留めることで、様々な人の生きづらさの一端を理解できるように思いました。
  • 専門的な話が多かった
  • ソーシャルサポートの重要性は対人援助職者である自分にとって再確認ができたと思います。専門職の仲間と共有していくべきものがたくさんあると感じました。
  • 将来、職場でセクシャルマイノリティの方と接する機会があった時などに生かせると思いました。
  • 臨床的な意味合いが強いので、支援職についていない人かつ非当事者には日常と感じないのかもしれません。逆に言えば、当事者には日々の生活での気づきになると思います。臨床家にはとても役に立つと思います。
  • 差別や偏見は、セクシャル・マイノリティーの方だけではなく、さまざまな場面で体験することだから。
  • 明解に示唆が示されていたので。
  • 本来感と孤独感の影響力は,LGBTの方々だけでなく,全ての人の精神的健康に影響があるものだと感じました。これは,人に関わる全てのもの,国民性,環境、経済などにも影響を与えるもののように感じました。
  • MSモデル(マイノリティ・ストレス・モデル)を念頭に置いて様々な事象が理解できそうな気がしました。
  • 私は相談業務に携わることがあるので、相談を受ける時の背景情報として役立ちそうだと感じました。また自分自身を含めて、若年者ほどではないにしても自分とは何かということを考える際に役立ちそうだと思いました。

性的マイノリティの生きづらさやストレスについて新たな視点を提供できたようで嬉しいです。また、性的マイノリティ以外のスティグマを負わされるマイノリティにまで視野を広げて考えていただける機会になったこともとても嬉しいです。

 

LGB当事者の方や支援職の方には、マイノリティ・ストレスの概念が、自身やクライエントの認知の特徴や困難の原因を知るための1つの物差しになると思っていただけた点も、今回お伝えできて良かったなと思う点です。

 

ただ、まだまだ専門的な内容を具体的な日常に役立てるための伝え方は工夫ができそうです。日々の支援の中で考えていきたいと思います。

3. 前半の発表部分の満足感についての評価

  • スライドが見やすかった。
  • 本来感とか、内在化した同性愛否定と嫌悪の違いとか、私の言葉へのこだわりかもしれませんが。つまり私の特性かも。すみませぬ。
  • 用語の解説が丁寧であり、わかりやすかった。
  • 本来感というワードを軸に話されていたので、話にまとまりがあって聞きやすかったです。
  • 時間の制約のため仕方ないのですが、もう少し時間をかけて説明していただけると更によかったと思いました。
  • 用語や定義の説明が丁寧にあった
  • 聞き取りやすかったです。質問1の回答と同じになります。(用語の説明を最初にしていただいたこと、途中途中で調査で大事にしていたことに触れてくださっていたと思うため)
  • 用語の解説が大変分かりやすく、内容もすんなり入ってきました。スライドも見やすくまとめてあり、視覚的にも理解しやすかったと思います。
  • 平易な言葉での説明。研究についての全体像をわかりやすく説明されたと感じます。
  • 発表に至る経緯や先行研究が丁寧に説明されていた。
  • わかりやすかったから。ついていけなくなるほどは進む速さが速くなかったから。
  • 調査や分析の結果が図やグラフで表現されているので見やすかったです。図の色分けも,はっきりした色で見やすかったです。説明時に動きがあったのも注視しやすくて工夫されているなと感じました。ただ,その動きが一瞬だったので,説明している個所の関連があるワードは,しばらく動いているとより分かりやすいのかもしれないと思いました。
  • 発表部分は残念ながら誤操作によって退室したため、肝心の内容を聞くことができませんでした。そのため満足感を評価することができませんでした。(これは発表や運用というよりプラットフォーム自体の問題だと思いますが、)何らかの事情により退室してしまった場合にも再度入場できるような仕組みがあれば良いなと思いました。

用語の説明をできるだけシンプルに本質に絞ってお伝えする工夫をしました。分かりやすい反面、そぎ落としてしまった部分があるのも事実です。その点が逆に不十分さとして感じさせてしまう原因になったのかもしれません。

 

特に「本来感」は発表した研究におけるキーワードの1つでもあり、「アイデンティティ」や「自尊感情」と重なる部分があるため、混同しやすい概念だと思います。本来感については、伊藤・小玉(2005)の本来感尺度を用いました。もし、さらに深く知りたいという方は、伊藤・小玉(2005)をご参照いただけましたら幸いです。

 

また、スライドのアニメーションの工夫についてご提案いただきありがとうございます。早速対応いたします。

 

発表中に誤って退室されてしまい発表を聞けなかったという方がいらっしゃったことは、大変残念です。「荒し行為」等へのセキュリティ対策として、またスライド発表しながらZoomを操作しているため、発表中は会議室をロックしました。当初から予告していた処置ではありますが、大変残念です。発表会の後、Zoomアプリが更新され、退室ボタンが目立つ色になるなど誤操作を防ぐ処置がとられたようです。発表後の休憩時間以降はロックを解除したため、再入場し質疑応答は聞いていただけたようで嬉しいです。

4. 後半の質疑応答部分の満足感についての評価

  • 全ての質問に丁寧に答えていたことが良かった。タイムマネジメントがもう少しできると良いと思う。最後貴重な話が聞けて良かった。
  • 一つ一つ丁寧に、理解できているかどうか確認しながら進められていました。これは大変好感が持てました。
  • 一つ一つの質問に丁寧に答えていた。
  • フォーカシング指向心理療法とはどのようなものかという質問をさせていただきました。とても丁寧に答えてくださり嬉しかったです。ありがとうございます。わかりやすいように平易な言葉を使ってくださったので、感覚的にどういうことなのかイメージしやすかったです。
  • フォーカシングについての説明がご自身の言葉で出来るとさらによいと思いました。
  • 時間が長くなってしまった
  • 同じ関心を持っている人たちがいることがよくわかりました。他の方の質問と回答についても大変参考になりました。
  • 質疑応答の内容は私にはレベルが高いと思ってしまいました。しかし、これから卒論、卒研を行う時、このような質問にも対応していかなければいけないと思いました。質疑応答の際、全ての質問に丁寧に答えていらっしゃって大変尊敬しました。お疲れ様でした。
  • どんな質問であっても誠意をもって回答されていたところ。私なら、端折っちゃう(笑)
  • 研究の結果や考察にもっと時間をかけてもよいかもしれない。
  • 丁寧に質疑してもらえたから。
  • 後半で,フォーカシングに関して分かりやすく説明してくださったので講義を受けているような感覚になりました。わからないことを簡潔に教えてくださって,勉強になりました。途中で参加者の方々がマイクを解除して発言されていて,自分も会場で参加しているような感覚できくことができました。送られた質問全てに対応する姿を見て誠実さを感じました。
  • 物足りなさを感じた
  • 質疑応答が丁寧で,時間の超過があったので。最終回は3回の中で最も参加者が多く,特にタイムキーピングが大変だったのではないでしょうか…おつかれさまです!
  • 発表だけでなく様々な方々からの追加情報が、さらに勉強になったと感じました。

今回、24問+アルファの質問をいただきました。丁寧に答えたことを評価していただいた反面、時間を大幅に超過してしまいました。最後までご参加いただけない方も多くいらっしゃり、大変申し訳なかったと反省しております。

 

また、結果や考察にもっと時間を掛けても良かったのではないかというご意見をいただきました。実際その通りでして、実はかなり結果をコンパクトにし、考察の焦点も絞って伝えています。現在、別の統計分析方法を用いて分析し直し、学術雑誌に投稿準備しております。それが完了しましたら、ぜひ来年の発表では、その分析結果を基に結果や考察をより内容の濃いものにしたいと思います。ご意見、ありがとうございました。

 

なお、質疑応答の最後に「フォーカシング指向心理療法」について、参加者の専門家の方から教えていただきながらお答えする機会がございました。発表者もフォーカシングについてはまだまだ訓練を重ねている最中です。ご興味のある方は、「フォーカシング・ネットワーク」さんのホームページ内の記事を読まれたり、そこで開催されるワークショップに参加されると、より理解が深まると思うのでお勧めいたします。発表者も参加しましたが、ゆったりとじっくりと安心安全な雰囲気の中、とても深い体験をしました。また、全国で行われるワークショップの情報については、「日本フォーカシング協会」さんのホームページにも多く掲載されています。これらのホームページには、医療や心理の専門家ではない一般の初心者の方でも参加できるワークショップや講演会の情報が数多く掲載されています。フォーカシングは、ストレスに対する日常的なセルフ・ケアとしてだけでなく、本来感を高める効果があることが科学的に実証されています。皆さまの健康増進と幸福感を上げるための手助けになれば幸いです。

 

 

◆いただいた評価・感想を振返って

5月6日の発表会はプライド・ウィーク最終日ということもあり、たくさんの方にご参加いただきました。当初予定していた30名の定員が満席となったため、急きょ5名追加し35名の方が申し込まれました。当日は今回最多の34名の方にご参加いただき、熱意のこもった沢山のご質問をいただきました。

 

予定していた1時間半で収まらず、途中で退室しなければならなかった方も多くいらっしゃり、それについては大変申し訳ない気持ちです。来年は、時間に答え終えることができる質問の量を考えて、参加人数を抑え、その分、発表回数を増やすことも検討したいと思います。

 

ただ、一方で、このような学術研究の発表であっても、多くの方に関心を持っていただけるということを実感し、研究者であり実践家でもある発表者としては大変励まされる思いでした。

 

この度は、貴重なお時間を頂戴し「LGBT論文発表会」にご参加いただき、ありがとうございました。頂いたご意見・ご感想を大切に、来年以降の企画・運営に活かしていきたいと思います。時節柄、お体に気を付けてお過ごしください。また来年、お会いましょう!!(2020年5月6日・LGBT論文発表会2020 事務局)

【 全日程を終了しました。今後の開催に向けて準備しています 】

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現在、学位論文を書いている学生&最近書いた卒業生の方々へ(再掲)

LGBT論文発表会事務局では、一緒に発表してくださる学生や卒業生の方を随時募集しています。来年はぜひ、一緒に発表しましょう!そして繋がりましょう。

 

もしかしたら、来年以降もZoomを使った発表になるかもしれません。なぜなら、全国&世界中の学生や卒業生がお金を掛けずに参加でき、観覧する人も個人の事情に合わせて安心安全を確保しつつ観覧できるからです。

 

対象分野は、臨床心理学だけでなく、文学、社会学、医学、福祉、法学、政治、経済、経営学、ジェンダー学、哲学、心理学の各分野、生理学、教育学、宗教学、言語学、人類学、考古学、歴史学、芸術、健康科学などなど何でもありです。動物のセクシュアリティ研究だってありかもしれません。性的マイノリティやセクシュアリティに関連した研究なら何でもOKです。多様性は力だと思います。

 

大学の卒論発表会や修論発表会で使った資料をベースに発表準備ができます。私の先生は「研究は、それを必要としている人に届くことが大切」とおっしゃっていました。東京レインボープライドという機会に、学術研究が生み出す「希望」を一緒に世界へ届けましょう!

 

発表者として参加くださる方は、いつでもかまいませんので、ツイッターお問合せページよりご連絡ください。一緒に考えながらより良い発表会を作りましょう。よろしくお願いいたします。

 

イベントの詳細はこちらのページをご覧ください。